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祝い魚。色、姿、味ともに魚の王様。丹後での産卵期は5月。産卵をひかえた、色鮮やかな「桜鯛」がもっとも美味。体長5cmの子ダイを丹後の海に放流すると、3年で30~35cmほどに成長する。毎夏の数十万尾放流の甲斐あって、水揚げ量が増えてきた。
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岸辺の藻場にさよりの姿を見ると、丹後に春が来たことを知る。生後2年もすると30cm以上になって、藻に卵を産み付ける。透き通るほどの身の美しさと淡泊な味が魅力的で、春を告げる京料理によく似合う。
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丹後の浜では春をワカメの芽吹きで知る。単年性の褐藻類で、水深1~2mあたりに繁茂するが、前年秋から冬の水温が豊凶に影響し、10℃前後でもっともよく生育する。「若芽、若布、若女、若目」とも書き、ワカメは健康食で若さのシンボル。
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春の磯釣りの人気魚。舞台役者のように、目張りをした大きな目が美しい。魚ではめずらしく、秋に交尾して体内で稚魚を育て、5㎜ほどの稚魚を春先に産む。体長は約25cm。味は淡泊で、煮付けものとして喜ばれる。
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しろうお(白魚)を丹後では「いさざ」と呼ぶが、成長しても5cmほどのハゼ科の魚。春に、海から川に産卵のため上ってくる。ほっそりした体は透明で、赤い斑点が美しい。旬の頃の「いさざの踊り食い」が有名。家庭では「いさざご飯」を楽しむ。
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とびうおの初漁はきまって「宮津まつり」の前後である。浜では「かくとび」と小振りの「まるとび」にわけているが、両方を含めてとびうおを「アゴ」と呼ぶ。刺身、塩焼きlこは「かくとび」が好評。丹後の家庭料理「アゴのダンゴ汁」は旅の宿でも人気がある。
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初夏に丹後の海に回遊してくる。岸近くで、カタクチイワシなどをたっぷり食べて、脂ののったたちうおが獲れる。家庭では塩焼きにするのが一般的だが、今朝獲れたたちうおなら、薄造りにして、旬を楽しむ。
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トゲのあるさざえは荒磯育ち、トゲのないのが内海育ち。生後3、4年で成熟し、丹後では夏が産卵期。昼間は動かないが、日没後に海藻を食べ回る。殻が2cmほどの子供のさざえを大量に放流できるのが丹後の自慢で、身のやわらかい特産「丹後さざえ」を水揚げしている。
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丹後の内海で育つトリガイは大きさ、色合い、味ともに日本-。天然のプランクトンで育てた「丹後とり貝」は夏の特産品として好評。生後1年で穀の大きさが9cm、重さ150gにも成長する。和食ばかりか洋食の食材としても好適。
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北丹後のどの浜からも見える夏の夜の「漁り火」は、しろいか釣りの集魚灯の光。しろいかは生後1年で3、40cmに成長して、一生を終える。形は冬いか(やりいか)によく似ている。釣り人にも人気があり、釣ったばかりの身が透き通った刺身を楽しむ。
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イカの仲間でもっとも美味しい。梅雨時に丹後の沿岸で生まれ、秋に親イカとなって定置網にかかる。晩秋の潮風で干したあきいかの-夜干しと刺身の甘味は、歯応えとともに比類ない。
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「ぐじの一夜干し」、「ぐじの西京漬け」で有名。角張った頭が特徴で、経ケ岬から東の水深50~80mの海底に棲む。由良川沖の丹後海で獲れるトラエビを工サにぐじを釣る。これを「ボッコ釣り」といい、丹後自慢の伝統漁法。白身で、京料理には欠かせない。
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キス釣りで親しまれている沿岸のキスに形が似ている。大きいもので20数cmあるが、脂焼けするので小振りのおきぎすは数尾をクシにさして、素焼きで店に並ぶ。高級魚ではないが、身離れがいいので子供からお年寄りまで、家庭料理の人気もの。
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年の瀬から正月にかけて産卵期を迎える。丹後の秋のささがれいは、透き通って橙色の卵巣が美しく、脂ものって、味はかれいの仲間でもっともよい。「笹がれいの一夜干し」は乾物のなかでも一級品。乱獲されがちなので、資源を大切にしたい。
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はたはた、にぎす、ささがれいは、日本海の底魚ご三家。松葉がにと同じ底曳網で獲るが、かにより少し浅い、水深200m辺りの大陸棚に大きな群れをつくって棲む。丹後のはたはたは鮮度の良さが自慢で、身離れの良い脂ののった大物が魅力。
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冬の味覚の王様。水深230mから350mの海底に棲み、その生態は神秘的である。水揚げする力二の大きさ、漁場、漁期を適正に取り決め、資源保護に努めている。その甲斐あって、丹後の松葉ガニ資源は甦り、20数年ぶりの豊漁が続いている。
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成長にともなって呼び名が変わる出世魚。丹後では若い方から、モジャコ、ツバス、イナダ、ハマチ、マルゴ、ブリと呼ぶ。日本海を春から初夏に北上、秋から初冬に南下、これを繰り返して成長する。年の瀬に数千尾の「寒ブリ」が網にかかると、浜に大漁旗が揚がる。
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春の産卵をひかえたひらめがもっとも美味しい。産卵期が近くなると、丹後の沿岸に回遊にきて「大ひらめ、座布団ひらめ」が釣れる。生後3年で4、50cmになるが、90cmもあるひらめはすべて雌。毎年数万尾ほどのひらめ稚魚を放流している。水揚げ量も増えた。
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大きなロと姿、顔立ちが特徴的。深海に棲むが、冬には水深100mあたりにいる。松葉ガニと並んで、冬の丹後には「あんこう鍋」が欠かせない。あんこうのキモ和えは勿論のこと、ホホの身も美味しい。味はキアンコウに人気がある。
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丹後のカキ養殖は、品質の良さが定評で、明治の時代から続いている。エキスの「海のミルク」が増してくる11月から翌年2、3月までが食べ時。12月の「久美浜のカキ祭り」では、身がふっくらした旬の味が楽しめ、特産の加工品は珍品で有名。
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